2015年介護保険制度改正−介護予防の切り捨てになるか。−

 

 次期介護保険制度改正についての社会保障審議会での論点は次のとおりですが、一つ一つに当管理人の私見を述べてみました。管理人はあくまで介護の社会化を阻害するような制度改正は望まない。という立場です。
1.介護保険料
 第1号保険料の低所得者軽減策というものも全体ではバランスを取るという前提が今までの例だとありましたので、低所得者を軽減すると高額所得者は重くすると言うことになるかも。第2号保険料(65歳未満の人)の総報酬割(ボーナスにも掛ける)導入による引き上げで、現在の健康保険などはすでに導入しています。

 

2.利用料
 1割負担の引き上げ(応分負担、応能負担、要介護度に応じた負担など)。健康保険の場合は3割ですね。今、夫婦世帯で年収359万円(単身者280万円)以上の世帯は2割負担という案が浮上。これって高額所得者と言えますか。それに現行では、まだ964と言われる所得の捕捉が十分でないという批判もあります。
 世帯全員が住民税非課税の低所得層(約910万人)については、1300億円を投入し、保険料の軽減措置を拡充する。

 

3.ケアプラン
 地域ケア会議の義務化(市区町村による個別ケアプランチェックの実施)と利用者負担についてはくすぶっています。

 

4.要支援認定者への給付(介護予防サービス)
 サービス(給付)からの除外、市区町村事業への移行。これは現在なされている一次予防事業、介護予防・日常生活支援総合事業などを市町村が選択的メニューで実施されていますが、今回の検討案は、「要支援」を介護サービスから切り離して市町村事業を拡大するというものですが、財源は1号被保険者の保険料と一般財源(税金)となりますから、市町村の財政規模、行政の優先順位などに左右されることになります。そのうえ提供機関が市町村直営となると、介護保険以前のように十分な提供がなされないようなことにならないか危惧します。先日も地方のある市の役所主催の会議で「要支援・要介護者中、要支援者が半分を占める。そんな多人数にサービス提供できない。」と課長がおっしゃいました。

 

5.デイサービス
 重度化予防に重点化。管理人ももう少しリハビリをやってもらいたいという感じはします。ただ、利用者が必ずしもパワーリハビリを望むかどうかは疑問ですね。その場合、望まないリハビリでギコギコやって「もうデイなんか行きたくない。」と言われたときにどうしてくれるの?ということ。

 

6.施設サービス
 中重度者に重点化。すでに現状は要介護3以上に特化されています。そして、多くの施設の平均が要介護度4以上になっています。多床室の居室料徴収。

 

7.施設サービスの補足給付
 資産、非課税年金、配偶者所得などの勘案。資産や配偶者所得の把握については、生活保護のようなミーンズテスト(資産調査)を強制できないので、資産の把握については実務上困難性があると思います。

 

8.そのほかの論点
 サービス付き高齢者住宅、低所得高齢者の住まい。元々ヨーロッパではシルバーハウジングも社会福祉の一環と捉えていますので、賛成したいですね。

社会保障制度改革国民会議の概要

2013年8月2日、首相官邸にて社会保障制度改革国民会議が開催されました。噂の予防給付の見直しや高額所得者の自己負担率のアップが現実のものとなり、今後、具体的な施策を社会保障審議会等で話し合われることになります。

 

介護保険制度改革は、範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図る方向です。

 

具体的な見直し等については、・・・

 

○予防給付の見直し:要支援者に対する介護予防給付は新たな地域包括推進事業(仮称)に段階的に移行する。

 

○利用者負担等の見直し―:一定以上の所得のある利用者負担は、引き上げる方向へ。

 

○施設の補足給付:
補足給付に当たっては資産(ストック)も勘案すべきである。
また、低所得と認定する所得や世帯のとらえ方について、遺族年金等の非課税年金や世帯分離された配偶者の所得等を勘案するよう見直す。
 もともと年金については全体として非課税だったのですが、老齢年金に対して所得税の課税を始めておいて、遺族年金や障害年金の非課税年金に対して着目するとは。

 

○特別養護老人ホーム:中重度者に重点化する。確かに、すでに要介護3以上に特化されつつあり、ほとんどが平均要介護4以上というのが現状ですから、まあ妥当かな。

 

○デイサービス:重度化予防に効果のある給付への重点化する。これも個別機能訓練に対する加算に着目する点でいいのではないでしょうか。

 

○低所得者対策:軽度の要介護者を含めた低所得の高齢者の住まいの確保を推進する。ということから、ケアハウスや養護老人ホームの包括とか言った考え方が出て来ればいいんでしょうが。

 

○保険料:低所得者をはじめとする国民の保険料に係る負担増を抑制する。消費税アップ時の低所得者保護策の一環としてはうなずけます。

 

○低所得者の第1号保険料:基準額に乗じることにより負担を軽減している割合を更に引き下げ、軽減措置を拡充する。消費税アップ時の定職と者保護策の一環としてはうなずける。

 

○第2号被保険者の加入する医療保険者が負担する介護納付金:負担の公平化の観点から、被用者保険について、
被保険者の総報酬額に応じたものとしていくべきであるが、後期高齢者支援金の全面総報酬割の状況も踏まえつつ検討する。この議論はよくわかりませんが、第2号被保険者の介護納付金の率を引き上げたいということなのか、ボーナスに対しても割り振って、第2号被保険者の負担感を軽減しようというのかどちらのことでしょうか。不明です。

 

○介護保険料の負担をできるだけ適正な範囲に抑えつつ、介護保険制度の持続可能性を高めるため、引き続き、介護サービスの効率化・重点化に取り組む。これは当然のことですが、弱小の介護サービス事業所が成り立たなくなるような効率化・重点化は問題だと思います。



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