2017年度制度改正のポイント

 

次のような介護保険法の改正案が閣議決定されました。今期国会に法案提出されます。

 

自己負担3割負担

合計所得金額で220万円以上、年収で340万円以上(年金のみなら344万円以上)の個人は自己負担を3割とするということです。これに該当して負担が増えるのは約12万人で、受給者全体の3%程度と見込んでいます。引き上げは2018年8月に行う計画です。

 

財務・厚労省は高齢化に伴う社会保障費の自然増を、いまの6400億円から17年度に5000億円まで圧縮を目指しているので、今回の制度改革で400億円程度の抑制になるとみられさらに切り込んでくる可能性があります。中間層の一部が含まれていますので、不公平感があるでしょうね。

 

2号被保険者介護保険料の総報酬制

介護保険の第2号被保険者(40〜64歳)の保険料の額は、これまで各医療保険者における2号被保険者の加入割合に応じて決められていたが(加入者割)、被用者保険(サラリーマンが加入する健保組合や協会けんぽ)加入者については、報酬額に比例して決める仕組み(総報酬割)に改めることにしています。すなわちボーナスからも取りますよということになります。(激変緩和のため2017年8月負担分から段階実施)

 

高額のボーナスをもらう大企業、公務員はがっつり取られることになります。2017年8月から4年かけて段階的に導入することになりそうです。

 

現役保険料

 

療養病床の廃止

介護療養病床は2018年3月末で廃止が決まっていましたが、老人保健施設などへの移行が進んでいないことから、期限を6年間延長。同時に、長期療養のための医療と日常生活上の世話を一体的に提供する、新しいタイプの介護保険施設(介護医療院)を創設し、介護療養病床からの転換を促すと言うんですが、各医療機関の反対に遭って一向に進みません。ずーっと延期していますね。

 

小規模デイ、参入規制が可能に

居宅サービスの事業所を指定するプロセスで自治体の関与を強める規定も盛り込まれています。狙いはサービスの供給量のコントロールです。あらかじめ事業計画で設定していたボリュームを超えてしまうことになるケースなどで、市町村は規模の小さいデイサービスの指定を拒否できるようになります。加えて、大規模型のデイサービスや訪問介護などの事業所を都道府県が指定する際に、市町村の意見を踏まえて条件を付けることも可能にすます。

 

その他

法案にはこのほか、重度化の予防で成果をあげた自治体を財政面で優遇するインセンティブの仕組みを設けたり、現役世代の保険料を算出する手法を変えて所得の高い層の負担を増やしたりすることも含まれています。

 

介護ベッドなどの福祉用具のレンタルは、事業者に価格設定が委ねられている。同じ製品なのに、全国で10倍以上の価格差がある事例もある。今回の制度見直しで価格の上限を導入するが、より給付を抑制できる公定価格までは踏み込まなかった。

 

 サービスの見直しも不十分だ。要介護度の低い人向けの掃除や調理など生活援助サービスを介護保険の対象から外す痛みを伴う改革に手を付けることができなかった。今回のように比較的取りやすい高所得者の負担増を永遠に続けることはできず、制度の永続性につながる改革とは言いがたい。

 

毎度のことですが、ケアマネのケアサービス計画費の利用者負担は見送りとなりました。
また、福祉用具貸与を大幅に縮小する案を採用しない方針を明示しました。
他方、一般的な水準とかけ離れた著しく高い価格を設定する事業者への対策として、レンタル料に上限を設ける構想を新たに打ち出しています。厚労省の担当者は、「詳細はこれから詰める」と説明。次の介護報酬改定(2018年度)のタイミングに合わせた導入を視野に、具体的な仕組みを協議していく意向を示しました。
福祉用具貸与をめぐっては、要介護2以下の高齢者を対象に自己負担を原則とする制度へ転換することをもくろんできましたが、先送りのようですね。すでに運用でかなりきつくしていますので、これ以上は無理でしょう。

 

それよりも、要支援者に対する給付を抑制する制度が、全国で2017年4月1日から開始されました。

 

要支援の下に「(総合)事業対象者」というものを用意して、今までの要支援の方からもそちらに移行する人が出てきます。そうなると利用者は支給限度額が変わらないものの、事業所には今までの給付費より約7割(加算によりかろうじて8割)の報酬しか入らなくなり、弱小の事業所で要支援の利用者が多い事業所は立ちゆかなくなります。今後、倒産、閉鎖が出てくるのではないでしょうか。そうなると保険あってサービスなしという状況が各地で起こってくることを危惧します。国・県・市は人員基準を緩和しているとうそぶくかもしれませんが、数年ごとにこうも抜本的にいじられたのでは、経営は成り立ちません。

 

そもそも、制度の見直しは3年ごとになされる法律になっていましたが、そんのことは完全に頓挫して、ない袖は振れぬとばかりに制度改悪をするようですね。制度の根幹はあるもののかなりゆがんだ制度になりますね。たとえば所得による負担増はすでに介護保険料で十分取られているし、全体から言うと所得税で十分に取られています。その上、サービス利用料でまたまたたくさん取られるということになるとダブル、トリプルパンチになります。ここまで給付を変な形で抑制すると中間層以上層で保険料・税負担に対する抵抗感は強くなります。

 

余談になりますが、「外国人技能実習制度」の改正法が議決されました。対象の職種に介護を追加する方針です。一定の日本語スキルを備えていることや、日本人と同等以上の処遇を担保することなどを前提にする考えだが、3〜5年間だけ実習できる人材は介護の世界ではやっていけないように思います。その上、介護業界では日本人でも低賃金なのに、斡旋業者にもお金を払い、本人にも同等の賃金を打つのは無理なように思います。しかもこれが実習ですから、人員としてカウントできないのではないかと思いますので、無理っぽい。たぶん中小の事業所は腰が引けると思います。

 

また、在留資格に「介護」を加える改正出入国管理・難民認定法(入管法)も成立しました。日本の専門学校などに留学し、介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得した外国人が、そのまま滞在して介護に従事できるようにするものです。

 

また、医療保険の方も高額療養費(自己負担の上限)を引き上げると言っていますから、あれもこれも引き上げられ、年金は現在のマクロ経済スライド方式に賃金スライド制も併用することになり、制度の持続性を根拠に改悪するのですからますます暮らしにくい社会になりますね。

 

高額療養費




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